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2010年4月24日 (土)

<裁判員裁判>開始に遅れの傾向、殺人の軽重幅広く 初年度

 最高裁が公表した裁判員裁判初年度(09年度)の実施状況で、従来に比べ裁判開始が遅れる傾向にあることが分かった。公判前整理手続きに平均4.2カ月かかり、制度開始前年(08年)の対象事件の平均3.4カ月を上回った。一方、殺人事件の量刑は裁判官だけの裁判に比べ、軽重の幅が広くなった。【北村和巳】

 ■半年超える例も

 制度開始の09年5月21日から今年3月末までに全国で1662人が起訴されたが、判決が言い渡されたのは444人で27%にとどまる。判決に至った割合が低いのは▽麻薬特例法違反9%▽強盗強姦(ごうかん)15%▽強盗致死・強盗殺人16%−−など。

 事前に争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きでは、半年を超えた被告も20人いた。否認事件では平均4.8カ月かかった。

 初公判から判決までは平均5.5日で、3日(199人)と4日(143人)が大半。起訴から判決まで平均6.0カ月を要した。このため、起訴から初公判までは平均で5.8カ月かかった計算になるが、08年に判決が出た対象事件では平均5.0カ月だった。

 最高裁関係者は「裁判官が慎重に進めている面はあるが(遅延傾向は)想定の範囲内」と分析。一方、裁判員裁判を経験した弁護士は「公判前整理手続き後は新たな主張が原則できないため、(それまでの)証拠や主張の検討に時間がかかる。裁判が停滞して1人の弁護士が何件も抱えることになる。対象事件の絞り込みが必要だ」と指摘している。

 ■強姦致傷は厳罰化

 殺人で判決を言い渡されたのは63人。懲役15年超17年以下が11人で最多だったが、5年超7年以下が8人、5年以下の実刑も9人と量刑分布は幅広い。08年4月〜今年3月の裁判官だけでの裁判(裁判官裁判)の判決は、453人のうち4割の183人が9年超15年以下に集中していた。

 強姦致傷や強制わいせつ致傷、殺人未遂や傷害致死は裁判官裁判より厳罰化傾向となった一方、強盗致傷や放火、覚せい剤取締法違反は裁判官裁判と差がなかった。

 また、裁判員裁判の控訴審判決は12人に出され、いずれも被告側の控訴が棄却された。

 ■52%が辞退

 選ばれた裁判員候補者4万1047人のうち、52%の2万1435人が辞退を認められ、その9割以上が事前の書面審査によるものだった。裁判員選任手続きの出席率は83%。検察側、弁護側による理由を示さない請求で不選任とされたのは1997人。2565人が裁判員に選ばれた。

 ◇76%「十分に議論できた」

 「基本的な知識が不足しており、本当に被告の人生を左右する判断ができるのかと不安を強く感じた」−−。最高裁が裁判員に実施したアンケートで、裁判員は不安な心情もつづった。ただし、評議については76%が「十分に議論できた」と回答。結審後の平均評議時間は7時間6分。「不十分」は6%で「もっと確認したいこともあり、日数が足りない」との感想もあった。

 09年12月までの計138件の裁判員裁判に参加した裁判員781人から回答を得た。

 評議の雰囲気は83%が「話しやすい」と答えた。裁判官の評議の進め方は「丁寧で納得するまで話し合った」などの声が多い一方、「やや誘導的な部分もあり、議長を裁判員から選ぶといい」などの意見もあった。

 審理内容は71%が「理解しやすかった」と回答。法廷での説明は、検察官について80%が「分かりやすかった」と答えたが、弁護人に関しては50%。「裁判員を『何番さん』と呼ぶのもどうかと思った」の指摘があった。

 一方、裁判員制度を巡り最高裁が一般市民を対象に行った意識調査(1〜2月)では、6割以上が▽裁判所や司法が身近になった▽国民感覚が反映されやすくなった−−とした。国民の司法参加には肯定派が5割、否定派が2割だった。

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